マレーシアのラテックスグローブ

世界最大のマレーシアの医療用手袋メーカーのトップグローブ社は、

生産能力1日当たり2億枚生産することができます。

トップグローブは世界市場で25%のシェアを占め、

工場はマレーシア国内、タイに所有し年間400億枚の生産をしています。

世界の医療用手袋の3分の2を供給しています。第1波の流行から梱包資材、

カートン不足、配送人員生産人員不足で、

慢性的な手袋不足が続き手袋自体の値段も大きく変動しました。

マレーシア政府によるロックダウンと移動制限、事業ストップ命令もあり、

生産もストップせざる負えない状況もありました。

今回の新型コロナウィルスで生産量が前年比の17%増えました。

手袋のもととなるラテックス天然ゴム。天然ゴム大規模農場は現在タイ、

インドネシア、マレーシアに主としてあり、ゴムの木から樹液を採取し、

製造されています。ラテックスとはゴムの樹脂液のことで、

樹脂益を含むゴムの木の種類は全世界に400種類あるといわれています。

手袋で一般的にそのほとんどが使われている木はトウダイグサ科のパラゴムの木(heveabrasiliensis)

といいます。天然ゴムといえばパラゴム、その他は野生ゴムと呼び区別をつけています。

天然ゴムは様々な工業製品に使用され最も需要があるのは車のタイヤです。

天然ゴム生産国は主にタイ、マレーシア、インドネシア、ベトナムです。


パラゴムの木

天然ゴムは、ゴムの木から樹液を摂取して生産されるため、

ゴムの木の生育に適した赤道を中心とした南北15度圏内の1年中高温多湿で強い風の吹かない東南アジア、

中南米、中部アフリカで生産が行われてきました。

近年では、天然ゴム輸出国の主要生産国であるタイ、インドネシア、ベトナム、マレーシアの

4か国は世界の天然ゴム生産の74,8%のシェア率です。

ゴムの樹液は、1年を通じて生産されますが、

生産周期があり落葉樹から1ヶ月ほどずれた時期の減産期、多雨季の増産期、

それら以外は通常の生産期となります。タッピング作業は出稼ぎ労働者への

依存が大きくネパール人やバングラデシュ人の労働者が住み込みで労働、

タッピング(採液/切り付け作業)を行っています。労働力不足や原料不足、

悪天候などで価格の変動は起きやすい製品です。石油合成ゴムと天然ゴム(ニトリルとラテックス)

の価格の関係性、連動性もあります。


コロナパンデミックとラニーニャ現象

そして現在、相場高騰は、パンデミックによる労働力不足、

そしてラニーニャ現象の影響で生産環境が悪化、流通網の混乱もあり、

需要と供給に乱れが起き始めている。現在もパンデミックと異常気象による供給不安は続いており、

在庫の厳しい状態も続き、もう一段階の値上がりも進む可能性が高い。

そして先日、更なるバッドニュースはマレーシア保険証の発表によると、

マレーシア国内の新規感染者数が1884人となり、

そのうち56%に当たる1,060人はスランゴール州にあるトップグローブの外国人労働者向け寮で

発生したクラスターです。トップグローブの対応として、

工場28か所を段階的に閉鎖、全従業員の検査と隔離を行っております。

11/23時点で州別にみると、スランゴール州1203人、

サバ州289人、クアラルンプール196人、ペラ州81人、

ヌグリスンビアン41人、クダ州36人でした。ICU集中治療室では現在、

115人が治療の受けていて、その内48人は人工呼吸器をつけ治療を受けています。

新型コロナウィルスのパンデミックにより、

マスクを始め、ガウン、天然ゴム、合成ゴムから作られるラテックス手袋が医療現場で不足が続いています。

手袋はほとんどを輸入に頼っていて、工場が集積するマレーシアの度重なるロックダウンにより、

生産及び出荷できず逼迫した状況が続いています。

未だに足りない医療用手袋、工場用手袋


主に医療現場では、医療事業者を感染から守るためのPPE

個人防護具の一つとして手袋はなくてはならないものです。

病棟内での検査で使われる検査用手袋と手術用と2種類に分けて使用されています。すべてを

輸入している検査用が圧倒的に不足していて、それに伴い手術用も不足となっています。

手術用手袋に関しては、オカモト社はタイで自社生産していますが、

既存の顧客を優先し新規案件は流通を控えるなどの対応をしています。

米社製品を取り扱う東レ社は、複数国の生産拠点を活用し、

リスク分散し、供給を増やすようにしています。

今回の第三派で想定され現実化しそうな問題は、医療現場でのPPE不足を軽減、

解消するため医療現場優先に供給を行うため、その他工場の手袋不足が起こる事です。

今回のトップグローブ社の工場でのクラスター、

回復復旧までが長引き長期化してしまうと事態は深刻化する。

マレーシア手袋生産者協会によれば、ゴム手袋の世界需要は2020年3600億枚、

このうちの2700億枚程度はマレーシア生産となっています。不測のつながりでいうと、

OA機器、各種ゴム製品、車のタイヤなどもゴムがつかわれていますので、

かなりの影響が出ています。手袋は半導体などのクリーンルームでもつかわれています。

とあるレポートでは、1000人ほどの医師への調査で、

マスクは今足りている、備蓄がある状態は70%ほどで、

第1派の時よりも改善傾向にありますが、いまだ30%は足りていない現状です。

PPEの物資不足は常態化が続き足りていない状況は60%まで回復はしているものの、

依然十分な備蓄までにはいかず、現在使用料も少なくなっていて、先行きの不安はぬぐえない。

N95マスクに関しては全くといっていいほど医療現場では足りていません。